- Home
- 研究の必要性
研究の必要性
双極性障害(双極症、躁うつ病)は、躁・うつの病相を繰り返しますが、これらの症状は必ず回復します。しかし、予防せずに躁状態やうつ状態を繰り返すと、社会的な後遺症がつのり、生活の障害を来してしまいます。そして、双極性障害にかかったご家族を自死により亡くされた方も少なくありません。
現在、リチウム、ラモトリギンなどの気分安定薬やクエチアピンなどの非定型抗精神病薬などにより、多くの場合、再発を予防することができますが、それにもかかわらず、再発を繰り返している患者さんが少なくありません。効果不十分や副作用による場合もありますし、もう必要ないだろうと思って服薬を中断してしまう患者さんもいらっしゃいます。
再発予防のための服薬が必要かどうかわかるような検査法を開発すれば、今の薬だけでも、もっと多くの人が再発を予防できることでしょう。
そして、もっと副作用が少なく、確実に効果がある薬を開発すれば、双極性障害にかかっても、高血圧のようにつきあえるようになることでしょう。
そうなれば、社会のこの病気に対する見方も必ず変わってくると思います。
そのため、私達は、双極性障害の原因を解明し、診断法・治療法を開発することを目指し、研究を行っています。
研究費の必要性
研究のために一番重要なのは人です。そして、研究をするには、多くの研究用機器や試薬も必要です。理化学研究所への交付金で雇われているのは、私たちの研究チームのメンバーのごく一部で、ほとんどのメンバーは文部科学省・日本学術振興会や日本医療研究開発機構などの競争的研究費により雇用されています。
こうした研究費は、最長5年間であり、その期限が切れる前に次の研究費を獲得しなければ、研究を維持できなくなってしまいます。このような環境の中で、何とか研究を続けるべく、努力を続けております。